シルエットや装飾ではなく、“設計”という考え方から始まる服づくり。
〈Y〉のコレクションは、一見シンプルでありながら、線の引き方やパターンの組み立て方に明確な意図がある。
そんな思想に共鳴し、ロータスリーフが今季新たにセレクトしたのが〈Y〉だ。
流行に左右されず、日常に自然と馴染みながらも存在感を放つ理由は、見えない部分まで緻密に設計された構造にあるのだ。
道具のように日常に馴染む服。〈Y〉が描く“設計”という考え方
「いつも使う道具のように、気がつけば袖を通している」。
〈Y〉というブランドの服は、そんな言葉がよく似合う。
デザインというより“設計”という発想に近く、スタイリングの隙間を埋めるように生活へと入り込んでくる。主張は強くないのに、気づけば毎日頼りにしている??そんな存在感が魅力だ。
その背景には、〈Y〉が服づくりで大切にしている6つの要素がある。
Element 01:
Best Quality
“ハイクオリティ”ではなく、“ベストクオリティ”という考え方
〈Y〉がスタートしたのは、価値観が大きく揺れたコロナ禍の時期。
派手でも地味でもない、けれど“なんでもいい”とは違う。家でも外でも、どんなシーンにも馴染み、生活の一部として機能する服づくりを追求している。
その姿勢は「ハイクオリティ」ではなく、「ベストクオリティ」という言葉に表れる。高価な素材や過剰な仕様ではなく、必要な要素を的確に整え、そこに設計の妙を加える。気負わず着られ、使い込むほどに信頼が深まっていく??〈Y〉の服はそんな存在を目指している。
Element 02:
All Gender
誰もが自然に着こなせる、オールジェンダーな設計
〈Y〉の服は、着る人を限定しない。性別や年齢、国籍といった枠を超えて、あらゆる人にフラットに届くことを前提にしている。
トレンドに左右されないベーシックなデザインと、時代に色褪せない普遍性。シルエットも流行を追うのではなく、あくまで“誰にでも馴染む”ことを優先している。特定の人に向けた服ではなく、誰が着ても自然体でいられる服。〈Y〉らしさは、そんなオープンな姿勢に表れている。
Element 03:
Original Size
“自分のベスト”が選べる独自のサイズ設計
服の着心地を大きく左右するサイズ感にも、〈Y〉は独自の視点を持っている。
一般的なブランドがMサイズを基準に展開を考えるのに対し、〈Y〉はヴィンテージのメンズウェアをもとにLサイズから設計をスタート。そこからウィメンズでも着られるSサイズをつくり、その中間にMサイズを置く。
このアプローチにより、それぞれのサイズが単なる“拡大・縮小”ではなく意味を持つ。男性がジャストで着たり、女性がシャツを羽織のように楽しんだりと、着る人の自由な解釈に委ねられている。
Element 04:
Color
潔く2色。ネイビーとホワイトだけの世界
カラー展開がネイビーとホワイトの2色だけというのも、このブランドらしいこだわりだ。
ホワイトはどんな服とも馴染み、装いのベースとして機能する万能色。漂白されたようなクリーンな白から、柔らかなオフホワイトまでモデルによって微妙に表情を変える。
一方、ネイビーは赤みを帯びた深みのある色味が特徴で、ワークやカジュアルの世界では意外と珍しいトーンだ。落ち着きがありながら他の色とも調和し、大人の着こなしに自然と溶け込む。
この2色だけで構成されるラインナップは、ブランド全体に統一感と静かな力強さを与えている。
Element 05:
Made in Japan
国内の専門工場が生む、確かな仕立て
すべてのアイテムが日本国内で生産されている点も〈Y〉の特徴。
それぞれのアイテムに最適な専門工場が選ばれ、職人の技術によって仕立てられる。シャツひとつをとっても、運針数や縫い代、ステッチの位置まで細かく調整され、それが見た目にも着心地にも影響を与える。
国内生産へのこだわりは、クオリティの担保だけではなく、現場との密なコミュニケーションを通じてものづくりを深化させたいという意志の表れでもある。
Element 06:
Sustainable
“長く着られること”も、ひとつのサステナビリティ
いまやサステナブルな視点は服づくりに欠かせない。〈Y〉も、オーガニックコットンや再生繊維、ノンミュールジングウールなど、環境に配慮した素材を採用している。
さらに、前述のサイズ設計によって家族やパートナーと共有できる可能性を持ち、流行に左右されないデザインは長く愛用することを前提としている。使い込むほどに味わいが増し、愛着が深まる服??それこそが〈Y〉が考えるサステナブルの本質だ。
“道具”のような服が持つ、静かな強さ
6つの要素は、すべてが一本の線でつながっている。
道具のように使えること。長く信頼できること。そして、生活の中に自然と溶け込むこと。
〈Y〉の服は「こう着てほしい」と押しつけることはない。むしろ、「こうも着られる」という余白を残す。着る人の暮らしや感性に寄り添いながら、その人なりの使い方を受け止めてくれる??そんな寛容さこそ、このブランドの最大の魅力だ。
BUYER’S PICK UP ITEMS
ロータスリーフのバイヤーが選ぶ、〈Y〉のおすすめ3選
1. CORDURA ECOMADE CANVAS SHOULDER BAG L



大胆なサイズ感と素材使いが光る、道具としてのバッグ
〈Y〉の“道具としての服”という思想は、バッグにも通じている。
このショルダーバッグは、耐久性に優れたコーデュラ糸と再生PETのリサイクルポリエステル糸を使用し、高い撥水性と耐久性を誇るC6撥水加工を施した高機能素材を採用。
雨や汚れに強く、タフな日常使いに応えてくれる。
シルエットは驚くほどシンプルで、形状も潔いほどミニマル。それでいて、しっかりと“使える”素材が選ばれている点に、〈Y〉らしい設計思想が表れている。
Buyer’s Comment
「一見するとごく普通のメッセンジャーバッグ。でも、使われている素材や耐久性の高さを知ると、その“設計の深さ”が伝わってきます。大きめのサイズ感も、日常使いにちょうどよく、男女問わず“道具”のように使える一品です。」
2. ORGANIC COTTON / RECYCLE POLYESTER TWILL BLOUSON



飽きのこない普遍性と機能性が共存する、現代のスウィングトップ
オーガニックコットンとリサイクルポリエステルを使用した高密度の強撚ツイル生地を用いた、軽やかでシャープな風合いのブルゾン。
古着のスウィングトップをベースに、裾にアジャスターを加えるなど〈Y〉なりの解釈を施し、現代の暮らしに寄り添う仕様へとアップデートされている。
一見するとごくベーシックなデザインだが、素材の選定から設計の細部までこだわり抜かれた一着。
裾を入れ込んでシルエットを変えれば、トレンド感のある着こなしも楽しめる懐の深さも魅力だ。
Buyer’s Comment
「何気ないデザインの中に、素材選びや設計へのこだわりがしっかり詰まっています。着飾らない日常着としてはもちろん、スタイリング次第で表情を変える“使える”ブルゾンです。」
3. ORGANIC COTTON / RECYCLE POLYESTER TWILL EASY TROUSER



ユニセックスに寄り添う、軽快で強さのあるトラウザー
リサイクルポリエステルとオーガニックコットンを使用した高密度の強撚ツイル素材で仕立てたイージートラウザー。
軽やかでドライな肌触りながら、しっかりとした強度も備えている。
ウエストはドローコード仕様で調整が容易なうえ、裾にもコードを通すことで身長差をカバーし、性別や年齢を問わず着用できる設計になっている。
太めのストレートシルエットが生むリラックス感と、洗練された素材使いが絶妙なバランスを生み出す一本。
冬の装いにあえて白のパンツを選び、ネイビーのトップスと合わせた“冬のマリンスタイル”もおすすめだ。
Buyer’s Comment
「太めのストレートシルエットが抜群に美しく、どんなスタイルにも馴染む万能な1本です。軽くて強い生地感は季節を問わず活躍してくれますし、ユニセックスでシェアできる点も〈Y〉らしい魅力だと思います。」